『勉強したけど偏差値があがりません』

夏休み明けの9月上旬。

中学・高校を問わず多くの学校で「学力テスト」があったことと思います。

「夏休みの成果を試す、絶好の機会!!」

と、意気込んで臨んでいたとしたら、その時点で君の勝ち。

きっと、自分でも納得の充実した夏休みが送れていたのでしょう。

「やっば、みんな勉強してきたらどうしよう?」

そんな気持ちになっていたとしたら、その時点で君の負け。

どこか後ろめたい気持ちになるような夏休みを送ってしまったに違いありません。

私自身は、中学・高校の6年間で前者の気持ちになったのが1回。後者の気持ちになったのが5回です。中学三年生の夏休みだけ、大手塾の夏期講習に参加したため一日12時間くらい勉強したので「やったつもり」にはなりました。偏差値は全然上がっていませんでしたけど。

「偏差値」とは、「他の人と比較した場合の成績分布」のことです。

自分がいくら頑張ったつもりでも、他の人が同じくらい頑張っていたら「上がらない」んですよね。逆に、自分がテスト中ちょっとしたミスをしただけで「下がる」こともあり、この「偏差値を上げる」を学習のモチベーションにもっていくと思わぬ落とし穴があることがあります。

では偏差値が上がらなかったり、下がったりした場合、「学力は落ちている」のでしょうか?

もちろん、答えは「否」です。

夏休み中、努力した子は「夏休み前に比べ、確実に出来ることが多くなっています。」これが、本来の「学力の向上」であり「成長」です。比較する対象は、元来「以前の自分(本人)」であるべきなのです。ですが、成績が「偏差値」で評価されることが多い受験の世界において、そのことが忘れられがちです。

私に言わせれば、夏休みに偏差値が上がった子は「これまで余程やらなかった」か、「これまで正しい学習方法でやってこなかった」場合。もしくは、「人知を超えるほどの努力をした」場合の二通りしかありません。

これは「全体の成績」に限らず、例えば「国語だけ偏差値がすごく上がった」と言った場合も同様です。「その教科の学習をこれまでやってこなかっただけ」というケースが多く、これまで既にかなりの努力と研鑽をつみ、正しい学習方法で学習してきた子は急に偏差値が上がることはありません。

ですので、夏休み中かなり頑張ったのに「偏差値が上がらなかった」子は、もちろん「学習方法が良くなかった」「テスト中にミスをした」可能性もありますが、もしかすると「これまでの学習量・質がともに正しかった」と言える場合もあるので、注意が必要です。

テストを受けたあとの「結果の評価」はとても難しく、多くの生徒や保護者様が「偏差値の上下で一喜一憂」します。「先生、勉強したのに偏差値が上がりません」という生徒。「偏差値が下がっているんですけど、ウチの子ちゃんと勉強しているのでしょうか。それとも、努力しても伸びないほど馬鹿なんでしょうか。」と言う保護者様。私も昨年、我が子が高校受験生でしたから、気持ちはよ~っく分かります。多くの受験生を見てきたはずの妻でさえ、「我が子の偏差値が1上がった、下がったで一喜一憂」していましたから。ですが、そんな評価にはほぼ価値はありません。

大切なのは「偏差値」という数字ではありません。

私は、塾生のテストの結果を受けとったら、いかに「次につなげるか」を生徒と一緒に考えます。「ここは本来は出来たよね?どうして間違えたんだろう。どうしたら、次はできるかな。」「志望校に合格するためには、あと30点必要だったけど、その30点をどこで生み出そうか?」「この問題は、時間が足りなくて出来なかったのか、それとも時間があっても出来なかったのか。時間が足りなかったなら、どうやって時間を作り出そうか。」「この問題を解くためには、何が足りなかったと思う?そのために、何をしようか。」

この「評価」には時間をかけます。ここが「大切」だからです。

そして、たとえ「偏差値」が上がっていなくても、その生徒の「成長」がみられればそこは褒めます。「以前は出来なかった問題が、出来るようになったじゃないか」と。そこが、生徒の「努力」であるからであり、ここを褒めないと生徒の「やる気」を育てることができません。「偏差値」では、そうした「当人の努力」を評価することが出来ないことを、「評価する側の人間(=教師や保護者様)」は分かっていなくてはなりません。

そうした「正しい評価」に基づく「正しい指導」が、その生徒ひとりひとりの「能力を最大限に開花させる」私の指導方法になります。

そして「結果はあとからついてきます」。

「正しいことを続けていれば、結果が出るのはあたりまえ」です。

『先生、勉強したけど偏差値があがりません。』

『そうか、でも学力は上がったよね。では次、目標に到達するためにどうしようか。』

当塾は、これで結果を出しています。

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